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ホーム >特集 >2010年7月10日号 犯罪撲滅の救世主として「安視ん君」に白羽の矢   広告のお申込はこちらから
 

特集

犯罪撲滅の救世主として「安視ん君」に白羽の矢

 
吹田、豊中、塚本で合計90台余りを設置・運用
関西地区レポートから
編集部
 
「安視ん君」
関係者一同でテープカット
商店街を視察
吹田市で防犯カメラ設置を
推進した立役者
谷本英洋理事長
吉田公一総務部長
豊中市危機管理室の重本貴之主幹
庄内駅前の駐輪場に
設置された防犯カメラ
船戸淳宏塚本振興2-2町会長
塚本通商店街に設置された防犯カメラ

 刑法犯認知件数が毎年全国ワースト1、2位の大阪。大阪府警察本部を陣頭に、府下の自治体、並びに関係団体から一般自主防犯ボランティアが積極的に活動し、犯罪発生を少しでも減少させるため、日夜奮闘している。
  こうした中、犯罪抑止、更には犯罪発生後の犯人検挙に至る有力な証拠として、全国的に設置・普及が進む『防犯カメラ』が、府下各地でも設置・運営されている。特に、プライバシー保護を最優先にモニターを使わず、必要時のみ画像が再生できる、SDHCカード搭載の録画一体型防犯用カメラ「安視ん君(あんしんくん)」、製造・販売元・プロテック=広島県福山市南蔵王町6-17-8、永井健三社長、TEL084・943・6444)が注目を集め、自治体や商店街などで導入されるケースが増えている。そこで、最近導入された府下の自治体、及び商店街をレポートした。


 ◇
  大阪市の北に位置する、人口36万人を抱える商住居地域・吹田市。その玄関となる「JR吹田駅前商店街」がエコ化事業に取り組んできており、この程、メインとなる旭町通商店街に太陽光発電によるCO2削減、ドライ型ミスト、蛍光灯を国と地元自治体の補助で設置した。その完成記念セレモニーが先月26日、吹田市民会館に関係者をはじめ、多くの来賓臨席の中、開催された。当日は主催者であるJR吹田駅周辺まちづくり協議会の野田和生会長の挨拶、続いて谷本英洋・エコ化事業推進委員会委員長からの工事完成報告(太陽光発電、ドライ型ミスト、蛍光灯・看板灯LED化)が行われ、その後、旭通商店街に移動し、関係者でテープカット。引き続き、実際にドライ型ミストの体感や太陽光発電を視察した。
  ここで注目されるのが、同事業に合わせ、安心して買い物できる、活気のある商店街にするため、防犯カメラ(安視ん君)を45基設置したこと。


 ◇
  谷本英洋・旭通商店街協同組合理事長(谷本スポーツ店社長)が次の様に語る。
  「阪口・吹田市長が年頭、安全安心まちづくりを掲げました。駅前のメインストリートに位置し、860mにも及ぶ当商店街でも安全安心まちづくりを推進し、お客様に安心して買物して頂ける環境づくりを目指す一環として、防犯カメラの設置を相談したところ、“安視ん君”を推奨され、同時に国(経済産業省)にも働き掛けをした結果、かなりの助成金を頂く事ができ、45基を設置しました。
  既に、周辺の商店街では防犯カメラを設置・運用しており、遅い時期での設置ではありました。
  というのも、これだけの規模の商店街に設置するには多額のコストが掛かるほか、部分的な防犯カメラ設置では意味がなく、(死角をなくした)全体をカバーできることが、設置する上での絶対条件でした。
  そこで、昨年7月、大阪府通商産業局に赴き、防犯カメラ設置の必要性を訴え、結果認められた等、諸条件が揃ったことで今日に至っています」。
  「アーケードは7年前に7億円で掛け替えましたが、基本はお客様に安心、かつ楽しく買い物をして頂ける事です。
  量販店にはない活発なコミュニケーションがある商店街を目指し、土日での歩行者天国や商店街のトランジットモール化などの実験を、今後、是非進めたいと思います」と、抱負を付け加えた。


 一方、理事長をサポートしてきた吉田公一・理事(兼総務部長、よしだ珈琲店主)は「他の商店街と比較すると、我々の商店街は活気がある方だと思いますが、お店を構えた30数年前と比べると当時よりは衰退している観は否めませんね。今回、エコ化対策事業が実施されたことは大きな転機、またチャンスを掴んだのではないでしょうか。周辺では放火によるボヤ騒ぎなども発生しており、安全安心まちづくりを取り戻す事は我々商売人、及び住人にとっても切実な願いで、貢献できると思いました。(防犯カメラ設置に)反対する方もいましたが、この防犯カメラは画像をチップ(SDHCカード)に録画することで普段はモニターなどで見る事が無く、警察などの要請など必要時のみ画像を提出・確認するため、現代では最も重要視される(個人、お客様の)プライバシー保護については十分配慮できるため、最終的には全商店街さんに納得頂きました。ただ、資金面で補助制度(国=中小企業庁3分の2、吹田市約3分の1、残りを商店街が負担)を活用するにあたり、提出書類を何度も作成し直したことは参りました」と振り返る。
  なお、今回、吹田市での防犯カメラ導入において、大阪地区で防犯事業を手掛けるエフビーオートメ(平野富義社長)、地元吹田市内で警備・セキュリティ事業を展開する星光メンテナンス(福本アユ子社長)、関西地区一帯でコンサルタントから設計・メンテナンスサポートまで手掛ける三友(清水啓介社長)、近畿電設のプロ集団四社の結束が大きく働いたと聞いた。


 ◇
  吹田市の商店街だけでなく、同じ大阪の北に位置する豊中市、更には近隣のJR塚本駅前通り商店街などでも、安全安心なまちづくりに「安視ん君」が次つぎと設置・運用されている。
  豊中市の重本貴之・危機管理室主幹に経緯を聞いた。


―防犯カメラ設置に至った経緯は。

  今回、大阪府の補助金(100%)を基に防犯カメラを設置して頂きたいという府からの依頼があり、説明会が開催されました。ひったくりや自転車盗が大阪府下では多く発生しており、ワーストワンを返上する最善の対策が、自転車盗やバイク盗を未然防止することです。しかし、豊中市内には市営駐輪場が殆どなく、またひったくり防止などとして防犯カメラを設置・運用することで最大限効果を発揮できると考え、地元豊中警察署と豊中南警察署の協力の元、犯罪多発地区などを洗い出し、検討した結果、市内6駅(阪急豊中駅周辺4基、阪急曽根駅周辺2基、千里中央駅・千里セルシー東側8基、阪急服部駅東側・服部元町商店会周辺2基、阪急庄内駅東側・庄内駅前通商店会周辺7基、◎大阪府管轄として、阪急蛍池駅西側周辺4基)周辺に27基の防犯カメラを設置させて頂きました。


―御苦労された点は。

  街路灯はセンサーにより自動的に照明が灯るデイライトスイッチで管理されており、こうした場所に防犯カメラを設置すると、夜間だけしか防犯カメラは作動できなくなります。そこで、街路灯を一括で制御・管理していたものを一旦解除し、それぞれの街路灯毎で24時間稼働できるよう、デイライトスイッチの設定変更を行いました。


―防犯カメラを選択する上での条件は。

  当初、7、8社の業者さんに来庁頂き説明させて頂きましたが、コスト面や技術面などから入札直前で辞退される業者さんが多く、最終的には1社(安視ん君を提案した三友)が残り、落札しました。


―採用された防犯カメラシステムはどんなタイプですか。

  防犯カメラを運用する以上、元々、一般市民などのプライバシー保護や人権問題などもあり、出来るだけ撮影した画像は見せたくないというより、例えば事件などで警察からの捜査協力などで画像提出をするなど、必要な時のみしか画像確認できないのが理想です。今回、導入された防犯カメラは録画一体型タイプで、1週間分の録画画像は保存できるものの、その後は上書きされるため、運用上、プライバシー保護にも配慮されたシステムであった事は、結果的には大変良かったと思います。


―防犯カメラの奏功事例は既にありますか。

  4月から防犯カメラの運用を開始しましたが、4〜6月期の地域犯罪が昨年より減少しました。昨年同期比で見ると、千里中央設置場所周辺の犯罪が昨年19件あったものが1件、庄内周辺では10件が2件、服部周辺は3件が3件、曽根周辺では4件が1件、豊中周辺は6件が1件、蛍池周辺は3件が0件と、この間の合計が45件あったものが、8件、率にすると82%も減少しています。防犯カメラ設置が一定の効果を発揮したと言え、今後、もっと犯罪が減少する事を期待します。


―運用要綱はどの様なものですか。

  大阪府が策定した防犯カメラ運用マニュアルを基に、これを参考に豊中市でも独自の運用要綱、いわば「豊中版」を策定し、運用しています。例えば、画像開示に当たっては、警察の捜査協力と言えども、(公文書である)警察署長の要請依頼文がない限り開示できないほか、また、開示には防犯カメラに関する講習会を受講した当市の担当職員複数名が担当します。


―豊中市では他にどんな犯罪抑止を実施していますか。

  犬の散歩を活用した“わんわんパトロール隊”が既に6隊あり、登録されている犬も約700頭います。このほか、ウサギ型の青色灯を搭載したパトロール車も8台(専用車3台、一般車5台)活躍しており、市内41校区で、1校区に1台、青色パトロール車配備を目標としています。また、自主防犯ボランティアも一時の参加ではなく、日常生活の一つとして自然にプラスαされたライフサイクルとして定着する事に期待しています。

 ◇
  もう一つ、JR塚本駅前商店街など3つの商店街で組織する、塚本振興2-2町会でも防犯カメラ「安視ん君」を10台設置・運用しており、船戸淳宏町会長に経緯等を聞いた。


―防犯カメラを設置した経緯は。

  JR塚本駅周辺は淀川区の西の玄関、また東の玄関である新大阪まで電車で10分圏に位置する昔からの商住地域です。こうした地の利は大変恵まれていますが、昨今、駅前周辺で夜遅くまで若者が騒いだり、青少年による自転車やバイクを使った一人歩きの女性を狙ったひったくりや痴漢などが頻繁に発生し、まちの治安が危うくなっていました。そこで、安全で買い物がしやすいまち・商店街を再び取り戻すため、昨年7月、大阪市が実施している商店街の活性化事業の一環である防犯カメラ設置に関して助成制度を活用し、防犯カメラ設置を申請しました。カメラ1台の補助上限30万円、総事業費の3分の2を補助(今年度からはカメラ1台上限25万円、また総事業費の2分の1)するものです。その結果、塚本駅前通商店街、南本通り商店会、塚本本通南商店街で組織する町会で防犯カメラ10台を設置し、昨年暮れから運用を開始しました。


―初めての申請ですよね。

  我々の商店街が保有する街路灯等の使用許可が条件で、快く受け入れたところ、建築局からすんなり許可を頂き、また警察からの道路使用許可も(地元の同意書だけで)簡単に下りました。セキュリティのプロである三友(吹田市春日)の清水啓介社長から、色々と親切にアドバイス頂いたことが助かりました。


―防犯カメラの設置は商店街全てが賛成でしたか。

  我々の町会は三つの商店街で構成されます。色々な店・店主がいるため、防犯カメラ設置の出資を募っても、足並みが揃う訳がありません。また、同時に防犯カメラ設置後は、メンテナンスも必要で、これも頭が痛い問題です。駅前通商店街には大手メインバンクの支店があり、今回設置した防犯カメラがその銀行の玄関や裏口通用口当たりを監視する位置にあることもあり、支店に(メンテナンス費などの)協賛をお願いしたのですが、つれない返事しか返ってこないのはとても残念です。もう少し町会の活動を理解して頂きたいと思いますね。本当に。
一方、犯罪捜査に防犯カメラの画像をよく活用します。犯罪撲滅のため協力する事は結構ですが、それなら、是非、こうしたメンテナンス費用などの一部を国・自治体で負担して頂ける制度を設けて頂きたいと思いますね。


 ◇
  「安視ん君」は、低コスト、かつ録画一体型防犯用カメラ。つまり、必要な時だけ画像確認できる、プライバシー保護に配慮できるシステムを搭載。41万画素、最低被写体照度0.012luxのデイ&ナイト機能、広角レンズを搭載。撮った画像は内蔵のDHCカード(16GB)に録画し、秒4コマで約8日間の画像録画が可能。また、モニタレス方式を採用し、ビューアソフトによりパソコンで画像確認ができるほか、プライベートマスキング機能、いたずら防止検知等、多彩な付加機能を保有。ハウジングはIP66(防塵・防水)を取得した、優れもの。
  それだけに、今後全国的に更に導入が広まる事が期待でき、それは安心して暮らせるまちづくりの拡大を意味する。