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ホーム >特集 >2010年6月10日号 【公共交通特集】期待高まる安全対策 課題はコスト・技術   広告のお申込はこちらから
 

特集

【公共交通特集】期待高まる安全対策 課題はコスト・技術

 
  編集部
 
鉄道各社の監視カメラ設置の取り組み
(PDF/110KB)
 
アクシスコミュニケーションズ
「M-31Rシリーズ」
アクシスコミュニケーションズ
「Q8108-Rシリーズ」
ジョブル「VP-5004」
ナブテスコ「標準タイプ
(2モータータイプ)」
ナブテスコ「床埋タイプ
(1モータータイプ)」
ナブテスコ

「見せる警備・利用者の参加」で安全・テロ対策

  • 国土交通省

 国内の鉄道事業者の監督官庁である国土交通省鉄道局(危機管理室)は、安全運行に関する指導を継続的に指導するほか、9.11米国同時多発テロ以降は、政府主導の下、「我が国の鉄道テロ対策のベストプラクティス」を発表、“見せる警備・利用者の参加”を基本に、利用者の安全を最優先した施策を展開してきている。そこで、現在、同局の展開について質問事項を送付、次の様な回答を得た。原文を掲載する。

  ◇

  1. 国土交通省(鉄道局危機管理室)は、米国同時多発テロ以降、「我が国の鉄道のベストプラクティス」を平成18年5月に策定し、JR、民鉄などに指導しました。「見せる警備・利用者の参加」を軸とした鉄道テロ対策として、危機管理カードの配布、非常用インターホンなどの設置、販売店職員等のテロ対策協力ワッペン着用、そして防犯カメラ警戒強化表示、目に見える巡回警備、不審物発見等に係る協力要請(列車内、及び駅・ホーム)などを実施しています。その後、新たに追加策定されたプラクティスはありますか。
      「見せる警備・利用者の参加」等を軸とした鉄道テロ対策を、引き続き着実に実施している。
  2. 鉄道テロ対策に資する新技術として、顔認証システムの実証実験を関連団体協力の下、実施しました。実験は終了し、その成果をどう活かす計画ですか。
      「顔認証システム」の実証実験は、(財)運輸政策研究機構が独自に行ったもの。現在、国土交通省として「顔認証システム」についての個別の検討は行っていない。
  3. BCテロ訓練の実施状況はいかがですか。指導されたJR、民鉄、地下鉄など鉄道事業者のここ5年分くらいのデータ(回数、場所数)があれば、お聞きします。
      テロ訓練について、「鉄道テロへの対応ガイドライン」等にもとづいて、各鉄道事業者が適切に実施していると認識しており、実施状況については性格上回答することは適当でない。
  4. 犯罪・テロ対策として最も注視される防犯カメラは、全国の鉄道事業者でどの位導入(設置)されていますか。データがあれば、事業者毎にお聞きします。
      防犯カメラの設置については「鉄道テロへの対応ガイドライン」等にもとづいて、各鉄道事業者が適切に実施していると認識しており、台数については、性格上回答する事は適当でない。
  5. 監視カメラは年々、技術進歩により、現在インテリジェントカメラ、IPカメラ等が主流になってきています。画像処理(行動検知、異常検知)を使った、特定人物・現場を検出するシステム等がありますが、どういったシステムが有効と考え、今後、指導されていきますか。
      テロ対策における新技術の活用については、乗客の円滑な流動や利便性の確保の他、プライバシーの確保等、様々な課題があることから、これらを踏まえて有効性を判断すべきであると考えている。
  6. その他、今年度で施行・指導される事項があれば、お聞きします。
      国際会議(特に日本APEC)や要人来日等に際して、引き続き鉄道事業者に対して自主警備体制の強化等を要請するなど、適切に対応していきたい。

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大手民間鉄道の監視カメラ設置状況

 人、モノの動きがボーダーレスとなっている今日、空港・鉄道・船舶といった公共交通機関の安全対策はより重要なものとなっている。不審者、不審物の持ち込みに対する取り組みは国際的な整備も進んでいる一方で、様々な手口で対策をかいくぐる動きもある。また、鉄道ではJRをはじめ私鉄各社で構内に監視カメラを設置する取り組みが拡大。抑止効果として一定の効果を上げているとの評価も聞かれるため、こうした動きは今後一層拡がるものと予想されている。
  大手民間鉄道は、通勤の混雑緩和、輸送サービスの向上等を目的として高水準の設備投資を継続している。売上高に対する設備投資の割合としては、全産業平均が1.8%であるのに対して、製造業が平均3.6%となっている。運輸業が平均5.1%に対し、大手民鉄16社平均では27.6%にも及ぶ。(2008年度財務省「法人企業統計調査」および日本民営鉄道協会調べによる) 
  そこで小紙では、今回、大手民間鉄道での安心安全対策の一環としての関連施設、設備投資で求められるセキュリティ対策のうち、注力されている監視カメラの設置状況および今後の車載カメラ導入への検討状況について紹介する。


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関係企業の取り組み

 痴漢防止対策などの一環として、JR埼京線の一部車両に搭載され、設置後は痴漢犯罪が減少したことから、今後の採用動向が注目される車両搭載カメラシステム。
  関係各方面から車両搭載カメラシステムへの引き合いは増加傾向にあると思われる。鉄道に関しては、システム搭載への大きな課題となっているのがコスト面。また、鉄道車両へカメラなど電子機器を搭載する際には、施工面の調整も難しい。困難な理由として、車両への取り付け、車両間も含めた配線工事の実施にあたって、運行ダイヤとの兼ね合いもあるため、簡単に行えない。鉄道車両の場合、カメラのや対応も困難で設置費用がシステム費より大幅なコスト高になる傾向が見られる。こうしたコスト高傾向が、鉄道事業者などにとって、車両へのカメラ搭載への一歩を踏み出せない状況を生み出している。
  今後、カメラメーカーにとって、設置や配線工事の軽減が進むカメラシステムの開発が、顧客に求められる要素として重要視されると思われる。この他、満員電車の状況下における撮影への課題もある。迷惑防止以外の活用用途として、乗降客のドア開閉補助画像認識機能、乗車密度認識機能等が進むことが期待される。


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車載用ネットワークカメラシリーズ、国内市場へ

  • アクシスコミュニケーションズ

 アクシスコミュニケーションズ(東京都新宿区、TEL03・5312・5230)は、今後需要の急増が期待される鉄道、バスなど輸送機関期間向け車載監視システムに対応する車載ネットワークカメラ「M31-Rシリーズ」を今月中旬から国内市場へ投入開始する。
  今年に入り、国内では鉄道向け車載用カメラへの注目が高まっている。ネットワークカメラのパイオニアであり、世界シェア首位の同社では、欧米市場ではストックホルムなどで、数千台規模単位でネットワークシステムの導入実績を持つ。こうした導入実績や運用ノウハウを踏まえ、今回日本で発売するのが「M31-Rシリーズ」。
  鉄道など車載用モデルには、オフィスや店舗などへの設置モデルと異なり、運行時に発生する振動への対応、ドアの開閉や運行環境によって生じる温度、湿度の対応幅の大きさが必須となる。従来から同社では、強い耐振動性能を持つ車載用モデル「AXIS209-FD-R」シリーズを展開していたが、「M31-Rシリーズ」は世界中のユーザーから要望の高い高解像度、高圧縮率の機能を更に強化。また、最新圧縮技術H.264を標準搭載した。今回、ラインナップに市場ニーズが高まるHDTV搭載モデルも追加した。またカメラに加え、優れた耐振動性能を備えるNVR「AXIS Q8108-R」もシリーズに追加。公共交通機関等がソリューション構築を行うにあたり、柔軟性の高いシステム構築をサポートする。
  今回発売する「M31-Rネットワークカメラシリーズ」製品は、「M3113-R」、「M3114-R」。両機種ともコンパクトかつ頑丈な筐体を備える固定ドーム型ネットワークカメラ。インストールを簡単、確実に実行可能。カメラなどへのいたずら警告(タンパリングアラーム)など、多数のインテリジェント機能を搭載。列車、地下鉄車両、バス、緊急車両などのリモート監視システムに最適。高圧縮効果のH.264対応に加え、「M3113-R」はSXGA、「M3114-R」はHDTV720pを提供。価格(税抜)は「M3113-R」7万円、「M3114-R」8万4000円。
  NVR「Q8108-R」は、車内の過酷な環境への耐久性を備え、車内録画が可能なHDTV対応8chのレコーダ。衝撃、振動、気温変動の激しさに耐える堅牢デザイン、8ポートPoEスイッチ、リムーバブルハードディスク(オプション)、バッテリーバックアップを装備。価格は28万円から。


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振動に強い車載のDVR

  • ジョブル

 ジョブル(神奈川県川崎市、TEL044・244・3281)では、GPSによる位置情報記録に対応したLinuxベースの車載対応DVR(VP-5004)を本年度より販売している。
  HDD・SSDによる大容量で常時記録に対応するとともに耐振動性に優れた構造で振動の激しい車両への設置が可能となっている。記録媒体をSSDにした場合、完全に可動部のない、振動に強い無音のDVRとして使用できる。中央監視ソフトウエア「SecuWatch」に対応し、複数のVP-5004をLAN・WANで接続、中央監視システムが構築できる。
  用途としては、電車、バス、トラック、タクシー、船舶、飛行機、クレーン等重機などの振動が発生する場所での映像・音声監視装置のほか、密閉型で埃に強く、一般家庭やオフィスなど、わずかな音が気になる場所でも無音DVRとして設置できる。


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プラットホームドアシステムを提案

  • ナブテスコ

 ナブテスコ(神戸市東灘区、ナブテスコカンパニーTEL078・413・2541)は、鉄道ホームへの採用拡大が進む「プラットホームドアシステム」を提案。多数の路線で採用されており、駅の安全をサポート。全国各地100カ所以上にサービスステーションを設けており、万全のアフターサービス体制を敷く。
  同社システムは、ホームドア「PSD」(Platform Screen Door)と可動式ホーム柵「APG」(Automatic Platform Gate)がある。「PSD」は、安全性、快適性に優れたタイプ。乗降客を軌道から完全に隔離。プラットホームからの転落、列車との接触を防止、列車風や風雪の吹き込みを防いで、快適環境を実現、ホームの空調効率向上実現などの利点を備える。
  「APG」は、乗降客のプラットホームからの転落防止は勿論だが、既設路線への設置が容易。扉はガラスタイプ、ガラス無しタイプを選択可能。支障物センサーによって、車両ドアと可動式ホーム柵の隙間に残った障害物を検知。緊急時は非常用ボタンを押すことで、手動で扉の開閉が可能。
  新型可動式ホーム柵「新型APG」は、デザイン性及び透視性を高めた製品。タイプは標準(2モータータイプ)、床埋(1モータータイプ)の2種類。標準タイプは、左右両側のドアを各々1台、計2台のモーターで開閉。既設路線へ設置しやすい特長も備える。
  床埋タイプは、床下に埋め込んだ連結機構によって、モーター1台で左右両側のドアを開閉する仕組み。床部の掘り込みスペースを配線スペースとして有効活用。標準タイプ比で省エネ効果が見込める等の特長を備える。両タイプとも従来タイプと比べ、戸袋部が短いため、オプションの緊急脱出用ドアの設置も容易となっている。