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ホーム >インタビュー・対談トップ >2010年5月25号 アイテック 取締役 西村 康治氏

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アイテック 取締役 西村 康治氏

画像処理技術との組み合わせで新ビジネス可能   アイテック
 
 
 

 現在のセキュリティシステムは、単に設置するだけでなく、如何に有効活用するかが求められている。映像監視分野においては、カメラの高画質化により、画像処理技術と組み合わせることで、更に効率的なシステム構成を実現できる環境整備が進んでいる。そこで、様々な画像処理技術を手掛けるアイテック(東京都文京区、辻啓延社長、TEL03・5840・8564)の西村康治取締役に同社の画像処理技術の特長、セキュリティ分野での活用について聞いた。


―これまでの画像処理への取り組みについて。

 当社は93年に設立して、相当早い時期から3次元に取り組んでいました。当時はまだ3次元自体へのニーズは低かったものの、3次元に取り組んだことで、その後の当社の技術発展を進める上で大きな礎ができました。3次元では、一つの画像を色々な点から見ていく必要があるからです。例えばナンバープレートを見る場合、正面からだけではなく、斜めから見る場合もあります。こうした際に3次元技術を用いることで、斜めから見た場合も正面からのように補正をすることで、ナンバープレートを読むことが可能。顔認証なども同様です。
そして、画像処理に関しては汎用品ではなく、受託開発で手掛けた点も特長です。


―受託開発の特長とは。

  オーダーメイドなので、ユーザーのニーズに合わせて開発します。その結果、開発製品は高精度が求められます。当社はこうした精度の高さを磨いてきました。


―御社の画像処理技術の特長は。

  二点あります。一つはアルゴリズムから自社開発していること。もう一点は幅広い画像技術を持つ点です。アルゴリズムの自社開発についてですが、現在画像処理を手掛ける企業の大半が他社技術(ライブラリ)を買って、開発しているのが現状ではないでしょうか。このケースでは、きめ細かい対応が難しい、環境が変わった際に容易に変更できないといった懸念があります。当社はアルゴリズムから開発しているため、オーダーメイド的にお客様のニーズに最適なものを作ることが可能。つまり他社が開発困難なニーズにも対応できる訳です。当社のナンバープレート認識システムはその一例ですが、同じ技術を長期間にわたって改良を継続するケースでは、結果的に精度がブラッシュアップされていきます。画像は技術、製品ごとに、設置する環境によって補正(キャリブレーション)が必ず必要です。その作業を行わなければ、所定の性能の発揮が困難です。こうしたお客様のニーズに、当社は正面から応えられます。
幅広い画像技術を持つ点については、当社は『文字認識』『車両・人認識』『3次元』『ラベル検査』などを手掛けています。その他、画像の揺れを除去、魚眼レンズのような画像を展開、対象の一部をなぞり一枚の画像にするといったことも挙げられます。


―画像処理技術の高度化が急激に進んでいるのでしょうか。

  確かに技術の進歩はありますが、それ以上に世の中が画像に対して期待する領域が拡がったと感じます。そしてハード面、特にカメラの性能が向上した結果、画像のソフトに対する要求が高まったと思います。そして価格面です。これまで画像処理関係は、価格が高いというイメージが対外的にあったようです。しかし、昨今は値下げ圧力も高まってきたようです。


―セキュリティ分野への提案は如何でしょうか。

  セキュリティは、当社が従来余り触れてこなかった分野です。業界からのオーダーもあまりなかったからです。しかし、当社の画像処理技術はセキュリティ分野へ応用できる点は非常に多いと思います。当社の画像処理技術と組み合わせることで、ビジネス的にも新たなセキュリティ分野が生まれる可能性があります。その前提として、人と画像が各々長所を出し合い、欠点を補い合うことが必要で、結果として高品質、安価、開発スピードを高められ、良い製品を作ることができます。これにより、従来は難しかった分野で新たなビジネスが確立できます。また、高品質、安価、早くできる製品を入手することで、更なる安心安全を手に入れられるのではないでしょうか。
また、人間はより人間らしい仕事に携れると思います。人間の目は確かに素晴らしいものですが、人が常時カメラを凝視することは到底できません。人間が不向きな点は画像に任せ、画像ができることは人間はやらない。人間はより広範囲のものをカバーする。その結果、事業者としては世の中に良いサービスを提供するとともに、新たなビジネスへの進出が可能となります。そうした面において、当社が提供可能なもの、ビジネスで協業できるものがあれば大いに展開していく方針です。


―先端技術とセキュリティ市場で求められる精度へのギャップは。

  当社では最先端の研究も行っており、従来まではあるレベルの精度が確保できなければソフトを提供しないスタンスでした。しかし、当社が高精度に拘りすぎていた面もあったかもしれません。
以前、あるセキュリティソフト開発の話があった際、抑止力としてのソフトの価値は認められるが、実際の行動を認識できないようなソフトは開発できないと考え、開発を見送ったことがあります。その行動の定義付けができなかったからです。しかし、当社は技術屋集団なので、市場を熟知したお客様がニーズの定義付けをしてご提示頂ければ、我々はその定義を数学的にアルゴリズムに置き換えられます。


―セキュリティ関連企業への要望、希望は。

  画像が難しい点を認識しておられるからかもしれませんが、画像処理に関して、舶来志向、ブランド志向が強い気がします。セキュリティ関連企業への希望としてはブランド志向を捨てて、一緒に新たな分野を切り拓く、新たな製品を作っていくフロンティアスピリットがある企業と組めればと考えています。