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ホーム >インタビュー・対談トップ >2010年1月25号 アクシスコミュニケーションズ 社長 永久 茂新氏

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アクシスコミュニケーションズ 社長 永久 茂新氏

HDTVに合わせた製品展開 RBSS制度にも協力   アクシスコミュニケーションズ
 
 
 
 
 

 アクシスコミュニケーションズ(東京都港区、TEL03・6716・7850)は、IPに特化した事業展開を進め、世界トップシェアを獲得。ONVIF(Open Network Video Interface Forum)のステアリングコミッティーとしても、ネットワークビデオ製品の標準化を牽引している。日本法人では、昨年12月に新社長に永久茂氏が就任。そこで、永久新社長に今後の取り組みなどについて聞いた。

―昨年新社長に就任されましたが。

 昨年12月3日に社長に就任しました。当社では、第三世代のアートペックと呼ばれるチップを搭載した新製品が出ています。このラインナップは整いつつありますが、それに見合うだけの販売体制、戦略的な商品展開の仕組みで未整備な部分があります。こうした部分の体系立てを行って、今後日本における新世代サーベイランスシステムの展開が、当面の目標です。


―新世代とは。

  ネットワークのサーベイランスシステムの場合、最も大きなポイントが、メガピクセルカメラの大量画像データをネットワーク経由でストレージまで繋げていくことです。これに関して、日本の場合は欧米と比べて、それほど需要は高くないのが現状です。監視カメラで取得した画像自体の取り扱い方も、欧米と日本では多少事情が異なります。ただし当社の市場観では、日本でも細かいピクセルの部分まで解像度を上げた画像処理ニーズが顕在化してくると見ています。当社はH・264圧縮技術をベースとした製品群により、様々なソリューション展開を考えています。メガピクセル、HDTVといった当社が基本とする今後の高解像度のストリーム標準を展開する上で、ネットワークの帯域使用量やストレージ容量への対応は避けて通れないものです。こうした問題に対して、当社では様々な施策を打ち出していきます。


―注目されているHD、インテリジェント、ONVIFなどへの対応は。

  HDに関しては、昨年春にBOXモデルを出しました。特定の市場では注目されており、監視カメラを越えたモニタリングと言う意味で、放送用カメラの代替として採用されています。HDに関しては、1920×1080、ピクセル数207万画素の仕様が中心になります。製品展開としては、「3301」モデルのHDTV版を12月に発売。この他、ドーム型「P33」、BOX型「P13」を出していきます。これらがHDTVモデルのスタンダードになると思います。
  インテリジェントとONVIFは、密接に関わっています。インテリジェントを持たせるアプリケーションレベルとして、入力/出力信号の標準化がONVIFで検討されています。当社全モデルで標準搭載したバピックスという技術に持たせたインテリジェンスをONVIFが採用して、他社が採用。逆に他社独自技術をONVIFが採用して、それを当社が展開するといった形で、業界全体の取り組みに繋げていく。これによって、最終的にはエンドユーザー側で、従来不可能だった、あるいは特定企業の製品のみ可能だった技術をマルチベンダーで実現可能な環境を整備することで、アプリケーション開発ベンダーの参入が容易になります。長年セキュリティに携るデベロッパーにとっては、こうした環境整備によってエンドユーザーのニーズに対応可能になります。その結果、市場自体の拡大が期待されます。当社ではインテリジェントとONVIFに関して、両者一体となってニーズを充たすための取り組みを行います。


―VGA、メガピクセル、HDといった仕様は収斂されるのでしょうか。

  基本的には画像のストリームとして運用を考えていくと、共通した規格がなければ、ストレージ、レコーダ側の規格が決まりません。ストレージの形でデータを持つ場合でも、容量をはじめ、撮り方が決まらない為、何らかの標準が必要です。メガピクセルに関しては、ハードウェアがどう処理するかが問題です。1メガ以上でメガピクセルと呼びますが、標準化はされていません。当社で独自処理方法を考えても、それは1ベンダー単位に過ぎません。メガピクセルはHDTVも含まれています。それなら放送業界で規格化されているHDTV(1080i)を利用して、ストリームとして処理する。一方、それとは別に一つの画角の中で撮ったものを幾つかの画面で分割して、監視する用途もあります。これはインテリジェント技術かもしれませんが、開発機種によって多様性を持たせています。画像処理の一つのフレーム処理ではなく、ストリーム処理として何らかの標準がないと取り扱う側が苦労すると思います。そうした意味で、当社ではHDTVに完全に合わせた製品展開をしています。


―国内では、日防設がRBSSでIP製品も進める方針です。世界トップシェアの御社の対応は。

  基本的に当社では、対応可能な部分については協力します。ただし、その内容がHDTVと相反する場合、またはRBSS向けの特別な仕様追加が必要となった際の対応については、当社の場合、ワールドワイドのマーケットを常に考えているため、市場規模によって変わります。RBSS制度に関しては、当社も注目していますが、日本だけの規格が求められた場合、追加投資をした結果として得られる販売台数が判断材料です。


―昨年の販売見通しは。

  08年後半のリーマンショックにより、当社ではその年の最終四半期において、特に米国市場で販売面の影響を受けました。その代わり、米国は09年から回復基調です。米国以外の市場では、時間経過とともに影響が出ています。その結果、09年は成長が弱まった年でした。


―今年は如何でしょうか。

  エンドユーザーからの要望が活発化しており、ネットワークビデオ市場は、09年以前のレベルで伸びると見ています。


―今後、日本でIPの成長に必要なものは。

  販売店側で、IP製品をアナログ製品同様に販売できる体制移行が重要です。CCTVとIPカメラの設置はかなり異なりますが、その理解が充分ではありません。そして価格面です。競合他社では、CCTVに対抗可能な製品も展開しています。当社でも現状を踏まえた上で、今年は価格面でCCTVとの比較でも検討頂けるローエンド製品を発売予定です。