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ホーム >インタビュー・対談トップ >2008年トップ >2008年12月25日号 ネットワークカメラ市場動向を聞く   広告のお申込はこちらから
 

(インタビュー)アクシスコミュニケーションズ浅野誠一社長

「イノベーション2010」策定、3年後再上場を
4事業強化や技術の集中と連鎖などが柱

  編集部
 
 
 

―今年のネットワークビデオ製品販売動向は如何でしたか。
  「前年に引き続き、大きく成長しました。レベル的には、日本も世界と全く変わらない、特に第三四半期(7〜9月)は、成熟マーケットとしては、世界で最も伸びた国の一つです。背景には案件の大規模化があります。従来は小規模案件の積み重ねでしたが、千台クラス、数百台レベルは頻繁に出てきています。今後も数百台レベルの案件はコンスタントに継続されると見ています」


―製品については。
  「車載など特殊分野での製品、PTZ製品ラインナップの充実化を図ってきました。売れ行きが良かったのは、ドーム型固定カメラで、大幅に出荷台数が増えました。同様の動きは、米国や欧州などでは一年ほど前からありましたが、日本は立ち上がりが遅かったため、(スウェーデン)本社からは、不思議がられたこともありました。システムインテグレーション製品なので、検証され、システムに組み込まれることで、急激に伸び始めました。エリア的に目立って進んだところは、データセンターの関係です。今後、新分野として期待されるのは交通機関。欧州等では数千から数万台規模で導入されており、こうした場所での設置が進むと見ています」


―初期設定など難しい点があるとされる、IPへの顧客側の反応は。   「アナログカメラに比べ、ネットワークカメラは、部分的に劣ると言われた時期もありましたが、現在、そんな声は聞きません。アナログカメラ選択の理由で、唯一挙げられるのは価格です。ネットワークカメラを知らない、使えないというユーザーは既にいないと思います。ここ1〜2年で、IT分野、セキュリティ分野におけるネットワークカメラの地位は、確実に向上したと思います」


―今年は圧縮方式としてH・264を採用されましたが、顧客の反応は。
「採用にあたり、一番大きなポイントが、画像圧縮の効率化を引き出すプラットフォームが必須という点です。当社チップが、H・264という重いコーデックでも、30フレーム/秒の速度で出力する必要があります。圧縮率の向上だけでは、H・264が持つ本来の良さを発揮できません。使用帯域とフレーム数と画質を三角形と見立てた場合、一方を向上させると、他のものを我慢せざるを得ないジレンマがありますが、製品化にあたり、画像圧縮率、最大限画像をきれいにする、帯域セーブというバランスを、H・264を用いて実現しました。他社は、技術的な準備を手掛けている最中だと思います。あるカメラは、H・264で出力はしますが、10フレーム/秒程度です。フルフレームレート出力を諦めて、画像フォーマットがH・264である点を訴求しています。これではH・264に望まれるものが半減します」

―技術を活かしきれない訳ですね。
「フレームレートも重要です。メガピクセルカメラはきれいなのはわかるが、データ量が大変増えるため、何台ものメガピクセルカメラを本当に使えるのかという問題があります。対応できる画像圧縮技術がなければ、きれいな画像が欲しくても使えない環境もあります。H・264採用により、こうした状況を払拭できます」

―メガピクセルカメラの実際の販売動向は。
「現状はネットワークカメラ出荷台数の10%に満たないと思います。ネックはデータ量でしたが、H・264採用によって、メガピクセルやきれいな画像へのニーズを充たす環境が整います。画像フォーマットが新しくなったということで、メガピクセルが今後伸びると思います」

―来年度以降の製品で、ONVIFフォーマット製品を出す予定は。
「製品化には時間がかかると思います。共通化を推進している以上、対応製品は必ず出します。ただし、H・264の新製品として、1月に出す予定の製品は、ONVIFサポートではありません」

―標準化作業には、どれ位の期間で行えれば良いと思いますか。
「1〜2年以内には、採用されていくべきだとは思います」

―標準化作業の目処がつけば、市場拡大の進捗度は加速するのですか。
「メーカー側から見て、標準化の重要性は、現状がネットワークカメラの浸透の足かせになっているからです。標準化されていないが故、アナログカメラからの置き換えが進みません。標準化は市場拡大を加速するための一つのアクションであることは間違いありません」

―来年の販売動向をどう見ていますか。
「今年同様の成長率、もしくはそれ以上の拡大を目標値として掲げています。今年は35%程度成長しましたが、来年はそれ以上を予想します」