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ホーム >インタビュー・対談トップ >2008年トップ >2008年12月10日号「女子校通学路に防犯カメラ5台設置」   広告のお申込はこちらから
 

(インタビュー)「女子校通学路に防犯カメラ5台設置」

盗撮・痴漢を許さない! 防犯カメラモデル地区へ
  ライコム/代表取締役 河野 新市 氏/リニューアル・セキュリティ部 加藤 幸一 氏
 
 

 私立横浜山手女子中学校・高等学校通学路で多発した盗撮、痴漢被害を防ぐため、神奈川県山手署、伊勢佐木署の呼びかけにより山手少年補導員連絡会、伊勢佐木防犯協会、ライコム(神奈川県横浜市、河野新市社長、TEL045・628・3853)が防犯カメラ5台を贈呈、運用を開始した。
  そこで、通学路への防犯カメラ設置も行った同社代表取締役河野新市氏、リニューアル・セキュリティ部加藤幸一氏に、今回の防犯カメラ贈呈、設置までの経緯を聞いた。

 
 
 

 ―今回の設置までの経緯をお聞かせください。
河野 神奈川県下の横浜山手女子高等学校・中学校の通学路での盗撮、痴漢被害発生をうけて、神奈川県山手警察署・牛越竜夫・生活安全課長から弊社へ問題の通学路に防犯カメラを設置したいとの相談を受けたことが始まりです。そこで、まず、同署、同校事務長、地元町内会代表と共に通学路の視察を行いました。多くの女子生徒が利用する通学路は、JR石川町駅から同校まで続く道幅約2m、全長約360mの急な坂道です。住宅地を抜ける公道ですが、商店もないため、盗撮、痴漢被害が多発した昼間は、人通りがほとんどありません。そのため、盗撮マニアの間では盗撮の名所とされ、山手署や伊勢佐木署の発表によると、6〜8月に、届け出された盗撮、痴漢被害だけでも毎月約10件発生しています。視察の結果、防犯カメラを設置する上で、設置、配線場所の確保と、公道への設置のため、横浜市中土木事務所への諸申請が必要なことがわかりました。また、同校施設は山手署管轄内である一方、通学路のほとんどは伊勢佐木署管轄であるため、山手署より伊勢佐木署への協力要請をしていただきました。

加藤 通常、街頭に防犯カメラを設置する場合、ポールを立て、それにカメラを取り付ける方法が一般的です。しかし、細い路地への設置は、人との接触の可能性を考えると安全面で不安がありました。また、ポール設置は工費がかさむため、予算的にもかなりオーバーしてしまうということで、出てきた案が既存の電柱を利用する方法でした。この方法を採用するためには横浜市中土木事務所のみならず、東京電力への許可申請も必要です。両者へ問い合わせしたところ、行政からの申請で横浜市内の電柱に防犯カメラを設置したことはあるものの、個人名や法人名、今回のような学校名での申請自体前例がないということで、当初は共に「設置は難しい。」との返答でした。しかし、警察署及び警察外郭団体から東京電力への協力要請書類、町内会、自治体からの設置承認書類を提出し、協議を重ねた結果、「社会貢献事業として是非協力したい」という答えを頂くにいたりました。

―申請から受領までに要した期間は?
加藤 約4ヶ月です。どの組織にとっても前例のない中でのやりとりでしたので、進行の中で提出書類が増えるというようなことも多くあり、時間を要しました。前例がないということは、今後モデルケースとなるということですので、迅速でありながらも慎重に進める必要がありました。
河野 警察署が非常に熱心で、スピーディな対応をしてくださいました。弊社はそれについていく、という感覚でした。警察署主導、かつ2署合同のプロジェクトというのは、非常にまれなケースだということです。このような体制そのものが、今回の設置実現への最大のカギであったと考えています。資金面でも、同校の他に、同2署の呼びかけによって、山手少年補導員連絡会、伊勢佐木防犯協会の協力を得ることができました。

―御社も資金協力されているということでしたが、採算はとれたのでしょうか?
河野 当初は、正直採算も意識しました。しかし、本件が進行していく中で、警察署からの『防犯カメラ設置のモデル地区を目指したい』という指針、また、各組織の熱意に触れるうちに、採算を考えるより、弊社も地域に貢献したいという思いが強くなっていました。とはいえ、同校、前述の警察外郭団体からの資金はもちろんのこと、東京電力の協力で電柱使用を許可されたため、カメラ取り付け用ポールの設置費を削ることも出来ました。その結果、弊社の協力コストは当初の予想より低いものでした。

―防犯カメラシステムの防犯抑止効果への評価が高まる一方、録画がプライバシーを侵害するとの批判も存在します。設置に対する反対意見はありませんでしたか?
河野 ありませんでした。どの組織も非常に好意的でしたし、設置工事の際には、地元の方から「防犯カメラがつくと安心です。」と声を掛けられたそうです。むしろ、防犯抑止効果への期待の大きさを感じています。
加藤 通学路は住宅街にありますので、人物の顔をしっかりと捕らえながらも、住宅のプライベートエリアが映りこまないようにカメラの画角調節を行いました。また、横浜市の防犯カメラ設置要綱に沿い、録画した画像の確認は、各種手続きを行った上で、警察関係者をはじめ、各組織の責任者同席の元でのみ行うこととしています。

―贈答式、設置工事を終えて感じることは?
河野 現在、公道への防犯カメラ設置において、カメラ取り付け用ポールの設置工費が高いことがネックとなっています。今回のように東京電力の電柱の利用が出来れば、さらに普及の可能性が広がると思います。今回はポール設置が不要であったため、工期も大幅に短縮することが出来ました。
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  ライコムは、この度社内にショールームをオープン。製品の展示だけではなく、防犯、防災機器メーカーを招いて社員や関係各社向けの研修を開催予定。さらに、地域住民を招いての防犯、防災セミナーも行っていく。   
河野代表取締役は、「関係企業、地域住民にとって、同社名の語源である『ライフコミュニケーション』の場として機能させていきたい。」と抱負を熱く語った。
  また、防犯、防災事業のみならず、太陽光発電やオール電化を採用したリニューアル事業にも注力していく。(ライコムホームページ:http:/ /ww w.kklicom.co.jp/)

 
河野 新市 氏
加藤 幸一 氏