安全安心情報のセキュリティ産業新聞社

新聞のご購読はこちらから
サイト内検索
注目ニュース インタビュー・対談 特集 連載 新製品情報 セミナー情報 リンク セキュリティフォーラム
ホーム >インタビュー・対談トップ >2008年トップ >2008年12月10日号「消防署記念事業で「住警器」600個無料」   広告のお申込はこちらから
 

(インタビュー)「消防署記念事業で「住警器」600個無料配布」

都内初、消防4団体が市へ寄贈
  小金井消防署・齋藤良秀予防課課長補佐
 
 

 東京都小金井市役所(小金井市本町6‐6‐3、TEL042・383・1111)は、75歳以上の単身・夫婦で、取付希望を申請してきた世帯に「住宅用火災警報器」を無料配布する。これは、小金井消防署発足10周年を記念して、消防関係4団体が住宅用火災警報器(ホーチキ製)を小金井市に寄贈したもの。都内では初めてのケースと言う。そこで、火災撲滅など、市民の防災を司る東京消防庁小金井消防署(東京都小金井市本町6‐6‐1、代表TEL042・384・0119)予防課の齋藤良秀課長補佐(防火査察係長兼務)に、背景や今後の計画について聞いた。

 
 
 


  ―75歳以上の高齢者世帯に住宅用火災警報器が無料配布されるとききました。経緯は。
齋藤 当小金井消防署は元々国分寺消防署が管轄していましたが、平成10年12月に分離独立し、小金井消防署が開署しました。今年で10周年の節目を迎え、消防関係4団体のみなさんが、消防行政に役立つ記念事業を検討したところ、火災から高齢者の人命を守るために住宅用火災警報器が最も適していることから、市へ寄贈したものです。そこで、希望する高齢者世帯に市が無料設置する事になりました。
  ―消防関係4団体とは。
齋藤 市の消防行政に協力する市民や事業者でつくる消防懇話会をはじめ、防火防災協会、危険物安全協会、防火管理研究会です。
  ―最初から住宅用火災警報器と決まっていたわけですか。
齋藤 実は小金井消防署では「火災による死者ゼロ1500日」運動を展開していましたが、昨年10月17日に住宅火災で死者が発生し、更に同じ年の12月30日にも連続して高齢者が亡くなられました。また、消防法が改正され火災予防条例(東京都)で平成22年4月1日から、既存の住宅にも住宅用火災警報器の設置が義務づけられました。こうした背景から火災による高齢者等の死者をなくそうというスローガンを掲げ、強力に防火安全対策を推進していました。このようなことから、消防関係4団体のみなさんは、住宅用火災警報器の普及促進がベストな10周年記念事業と考え、会員のみなさんからの賛同者を募り、住宅用火災警報器(電池寿命約10年)を購入し、市に寄贈しました。

  ―数は幾つですか。また、タイプは熱感知方式ですか、煙感知方式ですか。それと高齢者全世帯が対象ですか。
齋藤 今回寄贈したのは600個で、煙式の住宅用火災警報器です。住宅火災警報器は、火災の熱に反応する「熱式」、火災の煙を感知する「煙式」があります。一般的に火災の初期は、煙の立ち上がりが早いため、煙式を薦めています。(台所などで火災以外の煙を感知する恐れがある場合は、熱式でもかまいません)。
  一方、住宅用火災警報器を無料で設置する対象は、市によると、市内で75歳以上のみの世帯で持ち家かつ火災警報器未設置の方です。当市には約5万4800世帯ある中、75歳以上は2800世帯あります。今回の寄贈だけで足りない事もあり、消防署としては、高齢者への住宅用火災警報器の支援策を市に求めてきました。市介護福祉課によりますと、来年度に購入するため予算要求すると聞いています。

  ―無料配布や設置の方法は。
齋藤 設置方法ですが、市内4カ所にある地域包括支援センターの職員が要件を満たす希望者住宅を訪問して、住宅用火災警報器を設置します。同センターは女性職員の方が多いことから、消防署は取り付け説明会を行うと共に、高齢者宅に一緒に訪問して取り付けの実技指導を行っています。また、普段から奉仕活動に熱心な都立小金井工業高校の校長先生にお話ししたところ、社会奉仕活動の一環として警報器の取付作業に高校生がボランティアで参加することになりました。地元の高校生が防火防災活動を支援して頂けるのはとても有り難く、社会奉仕という面でも非常に意義深い活動で、広まっていく事を期待します。

  ―住宅用火災警報器で火災を未然に防いだという例はありますか。
齋藤 今年に入って火災の発生は現在、32件発生したものの、火災により亡くなられた方はゼロです。住宅用火災警報器の設置により火災の拡大を防いだ事例ですが、市内では主婦が天ぷら鍋をガスコンロにかけたまま、玄関で来客対応中、警報音に気付き台所に戻ると、天ぷら鍋から炎が立ち上がっていたので消火し、119番通報を行った事例。就寝中、寝室の警報音で目がさめ、ストーブに接した布団が燃えているのに気付き消火した事例等、東京消防庁管内においても住宅用火災警報器が作動して火災の拡大を未然に防いだ奏功事例≠ェ増加しています。

  ―今後の普及計画等は。
齋藤 地元には74もの町会があり、年度替わりで役員が交代する時期等に訪問し、住宅用火災警報器設置を呼び掛けて来たほか、催事などでも出向して、奏功事例や町会がまとめて一括購入するメリット等を積極的にPRしてきました。その結果、22の町会が一括購入から全世帯で設置されたほか、別の12の町会でも希望者を回覧板により調査中で、内、2つの町会では町会の予算から警報器購入の一部を補助して住宅用火災警報器の設置促進を町会の事業として進めています。さらに、6つの町会が連合して一括購入した結果、価格を低く抑えた例もあります。
  御手頃な価格の先行投資で10年もの間、自分の財産・命が守れる切り札≠ナある事を市民のみなさんに正しく理解して頂き、早期に設置して安全を確保する事が一番重要です。
  現在、74の町会の内、一般住宅等で組織する町会は58の町会となります。(都営住宅等を除く)住宅用火災警報器を購入した町会と購入希望者を調査中の町会を合計すると、58の町会中、34の町会が設置行動中で、約59%に達します。これは、消防署の安全に対する強い熱意が町会の方々に伝わったことと、町会長をはじめ、市民の皆さんの安全に対する意識が高まっている表れと考えています。今後もあらゆる機会をとらえて市民のみなさんに警報器の早期設置による安全確保をアピールしていきます。
 


(注)小金井市役所によると、市内の高齢者世帯数は2280世帯。第1弾として、今年度で寄贈された住宅用火災警報器600個を無料設置するほか、残りの世帯にも無料設置するための来年度予算に計上(来年度以降で第2弾600個、第3弾1080個を予定)した(今村洋・小金井市介護福祉課長)。