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ホーム >インタビュー・対談トップ >2008年トップ >2008年11月10日号「大阪府防犯モデルマンション登録制度 第1回」   広告のお申込はこちらから
 

(インタビュー)「(社)日本防犯設備協会 理事 エフビーオートメ社長 平野富義氏」

大阪府防犯モデルマンション登録制度 第1回
120項目以上のチェック

  編集部
 
 

―大阪府防犯モデルマンション登録制度というのはどのようなものですか。
 「(社)大阪府防犯協会連合会が窓口となり、防犯上犯罪に遭いにくい構造、設備の基準を満たしていると認められるマンションを『防犯モデルマンション』として登録し、マンションにおける防犯環境を整備して、防犯意識の高揚と犯罪の予防を進めるための制度です。実際の審査は一物件に対して一級建築士と防犯設備士(今は一級建築士7名、防犯設備士6名)がペアで書類審査及び現地審査を行い、その後審査会で合否を判定します。これまでの経験で分かったことのひとつに、申請書類だけでは判断できない、つまり現地に出向いて初めて分かることがあります。マンションの建物のことは書類を見れば分かりますが、マンションの周りの状態は現地を見なければ分からないのです。たとえばマンションの2階のバルコニーと同じくらいの高さに隣の民家の屋根があり、屋根から簡単に乗り移ってこられる状態に驚いたことがありました。その場合には『面格子や忍び返しを付けてください』と現地で指摘し、改善された写真を基に審査会のメンバーで意見調整を行います」

 

 


―登録制度が発足した経緯は。
 「大阪府では平成13年に、刑法犯の認知件数が全国一位という不名誉な結果になってしまいました。そこで、府民が安心して暮らせる地域社会を実現するための『大阪府安全なまちづくり条例』を翌14年に制定し、その中に防犯マンションを認定していく制度が盛り込まれました。この制度が運用開始されて以来、大きな問題はなく推移しています」

―審査基準は。
 「警察庁と国土交通省から示された『防犯に配慮した共同住宅の設計指針』を基に定めた審査基準は、(1)外部から建物内に侵入しにくい構造(2)共用部分の見通しを確保した構造 (3)エレベーター内に防犯カメラ、非常通報装置などの防犯設備(4)駐車場等の明るさの確保など盗難防止設備(5)ピッキング等が困難な錠と補助錠の設置、となっており、全部で120以上のチェック項目を設けています。具体的には、共用玄関は、道路及びこれらに準ずる通路から見通しが確保された位置にあるか。確保されていない場合には防犯カメラで補完する必要があります。それからオートロックであることと、防犯カメラも必要です。少なくともエレベーターのかごの中にカメラがなければ防犯マンションになり得ません。照明も玄関のエントランスホールやエレベーターの中は50ルックス以上(いずれも水平面の平均照度)、階段や廊下は20ルックスと、明るさの基準も決まっています。ですから、玄関ホールや共用出入口、屋上の出入口、エレベーター、駐車場などの各部位に対して、見通し・施錠状態・防犯カメラ・照明と、それらの要素を満たしているかどうかを見ていくわけです。また、各住居の場合には玄関扉や錠前の状態、ドアチェーン、ドアスコープなどの状態、バルコニー側はツーロックになっているかどうか。特に1階・2階・最上階についてはクレセントだけでなく、ツーロックは基本です。必ず補助錠を付けなければなりません。場合によっては防犯ガラス、面格子が必要になることがあります」

―エレベーターでの犯罪も増えていますね。
  「防犯マンションでは、エレベーターかご内には防犯カメラと非常通報スイッチ、50ルックス以上の照明が必須です。ドアにガラスが入っているタイプを基本としていますが、1階の場合は防災上の理由で外側にガラスが入れられない場合があります。そうするとエレベーターのかごの中は見えないので、その場合は設置階の外側の扉の上にモニターテレビを設置することが条件となります。これにより、エレベーターのかごの中がどういう状況になっているかをモニターで確認することができるからです。夜遅く女性が帰ってきたときに、ドアが開くまでかごの中の状態が分からないという不安もこれで解消されます」

―現在の申請状況は。
  「既存マンションからの申請もありますが、新築の分譲マンションが圧倒的に多いですね。新築の分譲が467件・既存が10件に対して、賃貸の新築が107件・既存が34件となっています(平成20年9月15日現在)」