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ホーム >インタビュー・対談トップ >2008年トップ >2008年10月10日号「製造立国の真実 虚構の安全神話」   広告のお申込はこちらから
 

(インタビュー)「製造立国の真実 虚構の安全神話」

社名・団体名 メリット 住吉正弘社長
 

 監視カメラ、モニタ、記録装置などの販売や、セキュリティシステムの設計・コンサルティングで事業を展開するメリット(東京都文京区、рO3・3868・8051)。
 その住吉正弘社長は商社勤務時代欧州でのビジネス、そしてメリットは台湾のトップ企業でもあるMerit Li-Lin Ent.Co.,Ltd.と業務提携するなど、各国を舞台にビジネスを行ってきた国際派。世界を知るものならではの見識で、日本の製造業のレベルや安全への意識、欧米の商習慣など、縦横無尽に語った。

 
 

―貴社の製品は病院関連の実績が多いそうですね。
 MRI室、放射線治療室やCT室など、遮蔽された部屋の患者を医師や技士が見るためのカメラが不可欠です。都内の有数の大学病院・国立病院・医療センターを初めとして北海道から沖縄の多数の病院に納入させてもらっています。被写体は治療を受ける患者さんのみですので固定カメラが主体ですが、スピードドームカメラも結構使われています。MRI室は電磁波・磁気のかたまりの部屋ですのでノイズ対策も考慮する必要があります。

―日本の製造業はやはり世界トップ?
 性能はまた別として、故障がないのは日本がダントツです。日本は部品を作る下請けのレベルが高く、すべての工員がボルトの一本に至るまで、きちんと締めようという意識を持っています。日本では会社名あるいは商品名のラベルがちょっとでも曲がっているとロット全体がアウトになるけど、向こうは少しくらい傾いててもいいじゃないか、機能上何か問題ある?となる。欧州で大きなシェアを誇る総合電機メーカーのフィリップスも、日本ではシェーバーとコーヒーメーカーなどが一般に知られる程度。日本には名だたる電機メーカーが数多くありそう簡単には競争は難しいのではないでしょうか。(勿論、商品によりますが)。今は我が社もLi-Lin品を販売していますが、非常に品質は安定しています。勿論数年使って不良ゼロではありませんが。アジアでも日本の会社から受注している工場ではだいぶ日本のやり方が浸透して、昔のような品質の差はなくなってきています。

―日本と欧米では、どちらが仕事をしやすいですか。
 海外を知ってしまうと、日本は疲れますね。競争がすごいから、個人を見ると精神的に余裕がないように感じます。ストレスもたまるでしょう。日本は会社主体だけれども、向こうは個人ベース。デパートで家具を買っても、配達員がホリデエイだから配送は3週間後です、という対応が通る世界ですからね。

―貴社ではセキュリティ用途のデジタルビデオレコーダや、カラードーム・ビデオカメラなどを販売していますが、日本のセキュリティ意識はどうでしょうか。
 日本のセキュリティはITの方にばかり発達して、欧米とは全然違う方向に行っていますね。IPカメラが進んでいるわりにソフト面がなかなか追いついて行かない、又、肝心の設置方法が手薄のように思います。例えばマンションにも駐車場・駐輪場等々は勿論ですが、各階で人が出入りするエレベーター回り・非常口回りには監視カメラが必要だと思いますがなかなかそこまで設置されていないのが現状です。ダミーカメラが売れるのも日本だけです。店頭では堂々とダミーが販売されており、これでは一見してダミーとばれてしまうのではないでしょうか。屋外ハウジングがない明らかにダミーと分かる状態で屋外に設置されていたり、やっぱり安全なんでしょうね。私の住んでいる地区では年末が近づくと空き巣が発生しますので数年前から自治会がパトロールを始めましたし、不審車輌が駐車している場合は地区の警察署に通報する手筈になっています。その為か空き巣の件数が限りなくゼロに近づいています。一般住宅地での防犯は監視カメラもさることながら地区の住民の「目」による方法も大事ではないでしょうか。意識の中にはいまだに安全神話があるのでしょうが、日本の実態も昔とは違って、性善説が通らなくなってきているのですから、監視カメラが必要な世の中になっていると思いますよ。