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2010年6月10日号 各地の取り組みも報告 平成22年度通常総会開催

各地の取り組みも報告 平成22年度通常総会開催

 
  −全国万引犯罪防止機構−
万防機構河上理事長
JEAS三宅副会長
 
虎谷利一北海道万引防止
ウイーブネットワーク幹事長
大畑誠警視庁生活安全部
生活安全総務課生活安全対策第二係長
一條裕善神奈川県警本部生活安全部
少年育成課課長補佐
亘浩幸長野県警本部
生活安全部少年課課長補佐
大庭英次福岡県警本部
生活安全総務課管理官
 
セキュリティフォーラム
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(2010年6月10日号)

  関係業界団体などで構成される、全国万引犯罪防止機構(東京都新宿区、河上和雄理事長、TEL03・3355・2322、以下万防機構)は、3日に東京のアルカディア市ヶ谷で、平成22年度通常総会を開催。関係各方面担当者に加え、全国各地の万引防止対策の取り組み、調査結果なども紹介された。  総会に先立ち、河上理事長が挨拶。「第5回の総会でございます。ボランティアで細々と発足いたしました当機構も関係機関のご指導を頂きまして、ようやく何か先が見えてきたような感じです。とりわけ警視庁が必死になってやりました全件通報というものは、末端ではできないような状況もあるかと思いますが、そういう方向に進みつつあるのは間違いないようです。小売業者にとって、万引きというものがどれ程大きな損害をもたらすか、万引きをする青少年をそのまま放置することが、どれだけ社会的にとってマイナスかということです。万引きというものを社会から減らしていかなければいけない。ここにいる皆様方のご指導を頂きたい」と語った。続いて開催された総会では、前年度事業報告と新年度事業、役員における理事増強、収支予算案が報告され承認された。今年度は新たに万引防止ハンドブックなどを制作予定。
 閉会後、専門団体の提案として、三宅正光日本EAS機器協議会(JEAS)副会長・ソースタギング準備委員会委員長が、「最新の万引防止対策〜地域社会との連携と社会インフラ」のタイトルで講演。万引き防止に対する効果的な対策として、以前から必要性が叫ばれているソースタギングのメリットなどを紹介。ソースタギングは、「セキュリティタグを商品の製造や梱包、または物流段階で商品に充填・内蔵すること」。従来型のタグ付けは小売店側で実施。課題として、実施時間や顧客対応との兼ね合い、タグのコスト負担、タグを剥がされる、空箱陳列では売上が伸びないといったものがある。ソースタギングを採用することで、こうした課題が解消され、売り上げアップとロス率低減の加速が進むといったメリットを紹介した。ソースタギングにおいて、どこがコストを負担するかという問題解決が、国内でソースタギング採用を推進するために必要とされる。現状ではソースタギングに必要な「タグコスト」、「タグ付けコスト」は、小売店が全て負担している。だが、ソースタギングに関するコスト負担は一社が負担しなければならないものではなく、パッケージ会社、メーカー、小売店各々がメリットを踏まえて、コスト分散することが必要。海外では大手流通業へ納めているメーカーはソースタギングを実施中。実際のタグ需要は、二方式で年百億枚以上使われており、その三割程度がソースタギングで活用されている現状を紹介。JEASでは、小売業の意向を実現するため、メーカーとの間に立って、橋渡し的な取り組みを行っていきたいと語った。今期中にソーススタギングの実証実験も行い、どんな問題が生じるかについて、小売店やメーカーと共同で考えていく方針。
 続いて、「全国万引防止対策組織実態調査」の結果が報告された。この調査は、4月下旬から5月末にかけて全国の都道府県庁、都道府県警察本部にアンケートを実施。各地における防犯対策専門部署、万引対策専門部署の有無を調べたもの。昭和57年に富山県で万引き防止対策協議会が設置されている全国に先駆けてが、今回の調査でこうした組織があるのが、都道府県で20団体(北海道、岩手、宮城、栃木、埼玉、千葉、東京、神奈川、長野、静岡、新潟、富山、石川、福井、愛知、兵庫、島根、香川、福岡、沖縄)。更に市町村レベル、警察署単位に亘ると350に及んでおり、万引き防止対策の裾野が拡がっていると報告された。新たな所では、今年3月に立ち上げた岩手県万引対策協議会は、今後活動内容等を決める予定だが、マイバッグの悪用防止などを検討中。万引防止に関する取り組みは、スローガン募集、ポスター、パンフレット作成など。
 その後、「全国各地の万引防止対策の取組み報告と意見交換会」を実施。若松修万防機構理事・普及推進委員長をコーディネーターに、北海道、東京、神奈川、長野、福岡で対策に従事する担当者から、各々の地域での取り組みが報告された。  北海道万引防止ウイーブネットワーク―加盟団体は現在11団体で、約1万1300店舗が加盟中。万引全件届出宣言を実施。万引犯罪に対して、微罪の8割程度で警察が店側に来てもらい、届出が30分から1時間程度で可能となる仕組みを作った。残り2割は重大な犯罪なので、時間がかかっても対応。「万引きは犯罪」というポスターを作成したが、北海道ウイーブネットワークとともに、北海道警察の文字が入っていることが強み。店側でも積極的に貼った。マイバック持参率が高い一方、万引も増えたので、マイバックに関するポスターも作成。講演、万引防止実践講座も県内の数カ所で実施。今年度はアンケートを実施して、全件届出の実態検証、万引防止活動に反映させる予定。
 東京「万引をしない させない 見逃さない」社会総がかり運動―(内容はJEAS総会記事の山下史雄警視庁生活安全部長参照)。  神奈川県万引防止対策協議会―昭和63年に協議会を立ち上げ、情報交換や広報啓発活動などを実施。県の万引認知件数は、平成16年に1万件を突破したことを受け、県警として万引防止対策強化方針を立て、県の万引防止対策協議会も県警と同時に取り組みを実施。毎月10日・20日・30日を万引強化日と設定。防犯指導員や少年指導員などが、万引被害の多い全店に立ち寄る活動を実施。併せて協議会と県警で万引防止マニュアル冊子を2万5000部作成して、店舗本部などに配布。その後、県と共同で「万引防止のガイドライン」を2万部作成、配布した。中身は犯罪機会論に従い、お客様に対する問いかけ実施、防犯カメラ設置、「万引きは犯罪です」との明確なメッセージ、商品へのタグ取り付け、高額商品の陳列、制服警備員の店内巡回などのアドバイスなどを実施。学校に対する指導強化も大きな柱。
 長野県万引防止対策協議会連合会―刑法犯全体では平成14年以降減少している一方、万引きだけは2年続けて増加している。特に少年と高齢者各々が、全体の3割を占める。少年の万引きは増えており、今年4月末で前年同期比115人増加。中高生で約8割を占める。長野県では、全国チェーンの大型店舗が郊外中心に増えている。しかし、こうした店舗は地元の万引防止協議会に全く加入しておらず、店側も万引抑止に無関心。警察官が陳列に対して要望をしても、制服で店に来られると迷惑、売り上げに響くといった形で門前払いする店が増えており、大型店の経営者の意識が活動のネックになっている。万防協へ加入しない店が多いことにも苦慮しており、流通協会への働き掛けも推進。対策として、「万引きすとっぷ」と題する小冊子を制作。県内の小学六年生全員に配布している。各警察署の万引防止協議会や県でも様々な対策を実施。チラシなどを店に貼る、紙芝居を作成して子どもに考えさせる広報啓発も行っている。
 福岡県青少年万引防止連絡協議会―県内の万引認知件数は横ばいで、被害額は平成21年が1億2890万円。被疑者年齢を見ると少年の割合が年々減っており、60才以上が増加している点が特徴。万引防止の取り組みは、20年位前から青少年の非行防止の観点から行っており、少年、特に中学生の万引少年の数は減少傾向が続いている。福岡県青少年万引防止連絡協議会は、県警では少年課が窓口を担ってきたが、今年から生活安全総務課と共同で活動する。理由として、青少年非行防止の対策に留まらず、犯罪抑止対策そのものとの考え方が背景にある。活動の幅を拡げて、総合的対策を考えていく方針。県警、県教育委員会は連携が取れており、その成果として、学校での万引防止教育が盛んに行われている。事業者対策として、「防犯責任者設置店」ステッカーを制作。ステッカーを貼ることで、店が県警と連携している店、万引きをしたら大変だと思わせる効果がある。県条例で防犯責任者設置を置くという規定があり、こうした店を対象にした研修会で、8月以降に防犯責任者活動マニュアルを配布予定。啓発対策として、色々な団体に出掛けて犯罪予防に関して話をすることで、聞いている方が「そうだったのか」と納得頂き、各々が主体となって活動する「そうだったのか運動」を進めている。