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2009年2月10日号 直下型地震対応可能「地震瞬時速報」、5年以内開発

直下型地震対応可能「地震瞬時速報」、5年以内開発

−文部科学省/防災科学研究所−
ノイズ識別処理技術≠ナ誤検知を解消
4月にも「地震瞬時速報利用検討会(仮称)」発足
セキュリティフォーラム
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システムイメージ図(PDF/3.48MB)

(2009年2月10日号)

 地震大国における防災・減災に役立つ救世主≠ニして運用が開始された緊急地震速報のアキレス腱とも言える、震源地に近い所で速報が間に合わないとされる直下型地震にも対応できる「特定活断層型地震瞬時速報」を文部科学省(地震・防災研究課)と防災科学技術研究所(茨城県つくば市)が共同で研究開発に着手し、5年以内に実用化レベルの達成を目指す。

 平成19年10月から緊急地震速報が実用化され、防災・減災のための実績を積み上げている半面、先の岩手・宮城内陸地震の様な内陸直下型地震では震源地に近い地域への一般向け緊急地震速報の提供が大きな揺れの到達に間に合わない事が露呈した。そこで、政府が進めるイノベーション25≠ノ掲げられた社会還元加速プロジェクトにある「きめ細かい災害情報を国民一人ひとりに届けるとともに災害対応に役立つ情報通信システムの構築」に沿った技術開発として、新年度から文科省と防災科研が開発を進める。
  増子(ますこ)宏・文科省地震・防災研究課長が次の様に解説する。
「現在、運用されている緊急地震速報は震源地から30`b以内の地域への速報は間に合わないと言われており、より迅速で精度の高い地震速報を実現するための観測機器、及びデータ処理アルゴリズムの研究・開発を進めるのが特定活断層型地震瞬時速報≠ナす。  
  仕組みは、活断層上に高感度地震計、強震計を配置。活断層の地震か否かを現地の地震計で判断し、想定した地震の場合、前もって準備した高精度な震度分布を配信することで、最も早い場合、概ね1〜2秒で地震の到達を知らせるものです。
  現在、地震計は、昨年の岩手・宮城内陸地震で観測された重力加速度の4倍の揺れにも耐えうる強度・機能を保有していますが、それ以上の揺れでも対応が可能な地震計の開発も必要です。同時に、例えば落雷や大規模工事などによる誤動作を起こさないノイズ識別処理≠行う高精度なデータ処理システムの開発も重要です。
  新年度では開発に充てる予算として4000〜5000万円を予算要求したほか、20年度補正予算で地震計の整備費として1億円を確保しました」
  また、4月頃を目途に自治体、公共機関、民間工場、ライフライン事業者等で組織する地震瞬時速報利用検討会(仮称)を立ち上げ、導入のための検討を通じて研究開発にフィードバックしていくほか、22年度中に特定活断層型地震瞬時速報のプロトタイプを開発し、23年度からは活断層を抱える自治体・防災科研とフィールドでの実証実験、24年度中に改良を進めながら5年以内に実用化していく方針です」。
  なお、国内には110もの主な活断層があるが、1000年〜2000年に1度、断層のズレによる大地震が発生するとされている断層は10〜20か所。この中、文科省では既に幾つかの断層で震源断層を特定した地震動予測地図(ハザードマップ)を作成しており、当初は三浦半島断層群といった地震発生確率が高く、前回の地震からの経過時間が平均活動間隔を超えている活断層を対象にフィールド実験を行う計画。
  直下型地震にも対応できる地震瞬時速報が実現すれば、先に世界初として運用を開始した緊急地震速報の運用と合わせ、より正確、迅速な地震速報が配信される事になり、大地震による甚大な被害が少しでも減少出来るなど、防災面での安全・安心が大幅に向上することになる。それだけに早い時期での実用化に期待したい。