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2009年1月10日号 世界レベル航空保安検査機器

国土交通省航空局監理部航空安全推進課航空保安対策室
藤森一雄・専門官に聞く

−国土交通省−
純国産「液体物検査機器」開発
国が戦略事業支援 T3E開発で調査研究に弾み
 
東京ガス・エンジニアリングが開発した「T3E」
 
セキュリティフォーラム
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(2009年1月10日号)

 国土交通省(航空局)は純国産技術による航空保安機器(液体物検査機器)の開発を国家レベルで支援すると共に、世界最高水準の開発を目指す。また、世界の航空保安強化に向け、日本発の検査装置による世界レベルでの航空保安向上に貢献していく。
  9.11米国同時多発テロ以降、世界的に航空保安対策が強化されている中、平成18年8月に英国で液体爆薬を使用した航空機テロ未遂が発覚した。対策として、液体物の機内持込制限を図っているが、利便面で問題を抱えており、高い信頼性とスムーズな検査性等多様なニーズを満足する液体爆薬検査機器による規制の緩和・解除が世界的に望まれている。
  こうした中、国交省では17年度から『航空保安検査機器の性能向上に関する調査研究』を進めてきており、「今年度(平成20年度)からは新たに液体物検査機器の世界的な既存技術の動向や情勢などを重点的に調査研究し、我が国発の検査機器開発を支援する施策を展開してきています。
  初年度は米国TSA関連を中心に調査研究を進め、世界が求める機器の性能要件、開発の支障となっているポイントを見極め、我が国で進めている技術開発にフィードバックさせていきます。
  そのため、新たに年度内でイギリスの航空保安機器の開発状況等の追加調査を実施するほか、新年度でも継続事業としてフランス等の情勢も調査研究する方針です」(藤森一雄・航空局監理部航空安全推進課航空保安対策室専門官)
  一方、「文部科学省の安全・安心科学技術プロジェクト≠ノおける大阪大学大学院の糸崎秀夫・教授による『赤外吸収によるペットボトル中液体爆発物の検知技術の開発』や、国内空港で設置しているボトル内可燃物検査装置(東京ガス・エンジニアリング)の次世代機「T3E」の開発が優れた技術として注目されます。
  文部科学省の安全・安心科学技術企画室との協力を強め、実用化に向けた支援を図っていきます。   
  」(同)。
  今回のプロジェクトは世界主要国の航空保安技術動向調査を基に、日本独自の高度技術を確立し、その暁には世界へ輸出することで世界レベルでの安全な航空環境の構築を支援していくのが狙い。そのため、航空保安機器開発のプラットホームとして、中村順・科学警察研究所法科学第2部長を座長とする産官学メンバーによる「航空保安検査機器に関する調査委員会」を開催し、国内外の検査技術に関わるニーズをあまねく精査してきている。
  なお、現在国内の空港で運用されているボトル内液体物検査器を開発した東京ガス・エンジニアリング(略称・TGE、東京都大田区蒲田5‐37‐1、業務推進本部・TEL03・5480・6811)は、従来とは異なり、検査対象となるボトル情報をデータベース化し、空港・税関で属性データと比較検査することで、殆どの容器に対応できる新型ボトル内液体物検査装置「T3E(ティー・キューブ・イー)」(=写真)を開発した。
  一般に複雑で高度な計測技術による検査では処理速度が遅くなるが、データベースとマルチセンサーにより、スピーディにボトル内物の異常を判定する学習機能≠持つエンジンも搭載して、世界中の殆どのボトルデータがデータベース化できる。更に、バーコードリーダーを採用した事で、簡単な操作で検査が可能となった。
  検査手順は簡単。まず、検査する際、機器表面にある液晶タッチパネル画面で対象となるボトルの規格等をインプットした後、バーコード入力とボトルポケットによる液体物検査を行う。その後、計測結果とデータベースをマッチングさせるが、判定は1秒以下。判定自体、液晶画面に「PASS」なら青の○、「FAIL」なら赤×と視認性が良く、熟練した技術等は必要なく、旅行者等のストレスも大幅に低減できるのも特長。
「センサーやIT技術を有効活用することで簡単かつ迅速な検査装置が実現できました。航空機をはじめとするグローバル環境にある今日、ネットワーク網を繋いだ世界レベルのデータベース化を構築する事で、どこにいても、どんな種類のボトルも瞬時に検査する事も可能になります。そうしたシステムの構築を是非、目指したいですね」(東京ガス・エンジニアリング・安部健・業務推進本部企画部事業化推進グループマネージャー)と抱負を語る。
  国交省の指導の下、まず国内空港でフィールド実験を行い、新年度中の製品化を目指している。